がんばる農家の紹介

「子どもたちの体験が未来につながる」。笑顔で地場農業を発信中!

鈴木伝一さん(緑区北原)

「皆が笑顔でいられる農業」を目指したい

鈴木殖産園の17代目として、この地で生まれ育ちました。以前は植木の栽培と販売がメインでしたが、時代とともに米や花、野菜などを扱うようになり、現在はじゃがいも、ブルーベリー、さつまいもなど、減農薬の野菜に力を入れています。

減農薬の野菜に着目したのは、約20年前。息子の病気がきっかけです。「安全なものを食べさせたい、子どもを守るのが私の使命」と考え、まずは土の勉強から必死で始めました。 情報を集め試行錯誤を続ける中で、地場産の藁を飼料にしている牧場や、牧場の牛糞を使って土が生まれ変わった農家、さらに、農業体験を通して見沼たんぼの魅力を発信している会など、多くの方々との出会いがありました。
採算を度外視し、信じるものを生み出そうとしている彼らの姿に心を打たれ、私も、農薬をなるべく使わず、季節に応じた旬のものを作り、訪れた人が農作物を楽しめる環境を整え、そして次の世代にも伝えていきたい。「今年も来年も、皆が笑顔でいられる農業を目指そう」と強く想ったのです。

就農、食育で体験した感動の味が、農業の評価につながります

農商学連携「紅赤地産地消プロジェクト」

農業ボランティアの育成、地場農業の情報発信やイベント開催など、様々な活動に参加することでさらに出会いは広がり、子どもたちが収穫を体験する「食育」にも取り組むようになりました。
平成22年には、国際学院埼玉短期大学と地元の農商業が連携し、さいたま市発祥のさつまいも「紅赤」を復活させてブランド化を目指す「紅赤地産地消プロジェクト」がスタート。その一環として、私の畑でも学生さんを受け入れ、苗の植え付けや除草作業、収穫作業をいっしょに行うことができました。
以来、毎年収穫時期には、1年生の実習で約150人の学生さんが訪れています。
学生さんからは、「楽しかった。採れたてのさつまいもがおいしかった」「農業の実践的な技術や知識だけでなく、伝統野菜、地産地消の取り組みについて理解を深めた」と喜びの感想。近所にいるおじさんの家に来るような、気軽な関係が築けたらと思っています。

収穫されたじゃがいも

感想と写真を載せたアルバム

さつまいものほか、じゃがいもの収穫体験、ブルーベリーの摘み取りでも子どもたちを受け入れています。
平成26年からは毎年、地元のサッカーチームの子ども達が、じゃがいも掘りにやってきます。
練習を終えて腹ペコでやってきた子どもたちは、蒸籠で蒸かした丸のままのじゃがいもを頬張り、いきいきと過ごしていきます。
後日には、感想と写真を載せたアルバムをいただき、「ほくほくしておいしかった」「掘り方を教えてくれてありがとう」。参加されたお母さんからも、「貴重な体験をさせていただき感謝します」「いただいたじゃがいもでいろいろ調理。親子で“食育”を楽しみました」と感動の声があふれていました。

収穫をした後、家族や友達といっしょに農作物を味わう貴重な体験。「おいしかった、楽しかった」という笑顔に、「来年もおいで」と私達も笑顔で返す。子どもたちが体験した本物の味が「故郷の味」となり、親となったらまた訪ねてこようと思うかもしれません。農業の評価が上がることで、この土地の評価も上がるでしょう。


地場農業を盛り上げるきっかけとして、多彩な情報を発信したい

毎年11月には、お世話になった方々をお招きして感謝祭を開催しています。畑で取った野菜のけんちん汁や、大根をおろしてさんまを食べたり、もちつきをしたり。
これからも、多くの人たちを招いて、笑顔の輪を広げていきたい。
収穫体験だけに留まらず、地域と連携して、季節の花や野草、野鳥を見たり散策をするなど、多彩な情報を発信することで、見沼たんぼの魅力を感じてもらい、地場農業を盛り上げる「きっかけ」をつくれたらと考えています。